爱丽丝漫游奇境记

不思議の国のアリス

     それは黄金の昼下がり
      気ままにただようぼくら
      オールは二本ともあぶなげに
      小さな腕で漕がれ
      小さな手がぼくらのただよいを導こうと
      かっこうだけ申し訳につけて

     ああ残酷な三人!こんな時間に
      こんな夢見る天気のもとで
      どんな小さな羽さえもそよがぬ
      弱い息のお話をせがむとは!
      でもこの哀れな声一つ
      三つあわせた舌に逆らえましょうか?

     居丈だかなプリマがまずは唱える
      その宣告は「おはじめなさい」
      すこし優しげに二番手の希望
      「でたらめをいれること」
      そして三番手が語りをさえぎること
      一分に一度以上ではないにせよ

     すぐに、とつぜんの沈黙が勝り
      想像で彼女らが追いかける
      夢の子が奔放で新しい謎の地を
      動き回るのを追って
      鳥や獣と親しく語る――
      そしてそれを半ば真に受け

     そしてやがて、お話が渇えると
      想像の井戸も枯れ
      そして疲れた語り手が
      肩の荷をおろそうとすれば
      「つづきはこんど――」「いまがこんどよ!」
      と声たちがうれしそうにさけぶ。

     かくして不思議の国のお話がそだち
      ゆっくり、そして一つ一つ
      その風変わりなできごとがうちだされ――
      そして今やお話は終わり
      そしてみんなでおうちへと向かう
      楽しい船乗りたちが夕日の下で

     アリス! 子どもじみたおとぎ話をとって
      やさしい手でもって子供時代の
      夢のつどう地に横たえておくれ
      記憶のなぞめいた輪の中
      彼方の地でつみ取られた
      巡礼たちのしおれた花輪のように

   第 1 篇

   1.

   掉进兔子洞

   うさぎの穴をまっさかさま

   爱丽丝靠著姐姐坐在河岸边很久了,由于没有什么事情可做,她开始感到厌 倦,她一次又─次地瞧瞧姐姐正在读的那本书,可是书里没有图画,也没有对话, 爱丽丝想:“要是一本书里没有图画和对话,那还有什么意思呢?”

   アリスは川辺でおねえさんのよこにすわって、なんにもすることがないのでとても退屈(たいくつ)しはじめていました。一、二回はおねえさんの読んでいる本をのぞいてみたけれど、そこには絵も会話もないのです。「絵や会話のない本なんて、なんの役にもたたないじゃないの」とアリスは思いました。

   天热得她非常困,甚至迷糊了,但是爱丽丝还是认真地盘算著,做一只雏菊 花环的乐趣,能不能抵得上摘雏菊的麻烦呢?就在这时,突然一只粉红眼睛的白 兔,贴着她身边跑过去了。

   そこでアリスは、頭のなかで、ひなぎくのくさりをつくったら楽しいだろうけれど、起きあがってひなぎくをつむのもめんどくさいし、どうしようかと考えていました(といっても、昼間で暑いし、とってもねむくて頭もまわらなかったので、これもたいへんだったのですが)。そこへいきなり、ピンクの目をした白うさぎが近くを走ってきたのです。

   爱丽丝并没有感到奇怪,甚至于听到兔子自言自语地说:“哦,亲爱的,哦, 亲爱的,我太迟了。”爱丽丝也没有感到离奇,虽然过后,她认为这事应该奇怪, 可当时她的确感到很自然,但是兔于竟然从背心口袋里袭里掏出一块怀表看看, 然后又匆匆忙忙跑了。这时,爱丽丝跳了起来,她突然想到:从来没有见过穿着 有口袋背心的兔子,更没有见到过兔子还能从口袋里拿出─块表来,她好奇地穿 过田野,紧紧地追赶那只兔子,刚好看见兔子跳进了矮树下面的一个大洞。

   それだけなら、そんなにめずらしいことでもありませんでした。さらにアリスとしては、そのうさぎが「どうしよう! どうしよう! ちこくしちゃうぞ!」とつぶやくのを聞いたときも、それがそんなにへんてこだとは思いませんでした(あとから考えてみたら、これも不思議に思うべきだったのですけれど、でもこのときには、それがごく自然なことに思えたのです)。でもそのうさぎがほんとうに、チョッキのポケットから懐中時計(かいちゅうどけい)をとりだしてそれをながめ、そしてまたあわててかけだしたとき、アリスもとびあがりました。というのも、チョッキのポケットなんかがあるうさぎはこれまで見たことがないし、そこからとりだす時計をもっているうさぎなんかも見たことないぞ、というのに急に気がついたからです。そこで、興味(きょうみ)しんしんになったアリスは、うさぎのあとを追っかけて野原をよこぎって、それがしげみの下の、おっきなうさぎの穴にとびこむのを、ぎりぎりのところで見つけました。

   爱丽丝也紧跟著跳了进去,根本没考虑怎么再出来。

   次のしゅんかんに、アリスもそのあとを追っかけてとびこみました。いったいぜんたいどうやってそこから出ようか、なんてことはちっとも考えなかったのです。

   这个兔子洞开始像走廊,笔直地向前,后来就突然向下了,爱丽丝还没有来 得及站住,就掉进了─个深井里。

   うさぎの穴は、しばらくはトンネルみたいにまっすぐつづいて、それからいきなりズドンと下におりていました。それがすごくいきなりで、アリスがとまろうとか思うひまもあればこそ、気がつくとなにやら深い井戸みたいなところを落っこちているところでした。

   也许是井太深了,也许是她自己感到下沉得太慢,因此,她有足够的时间去 东张西望,而且去猜测下一步会发生什么事,首先,她往下看,想知道会掉到什 么地方。但是下面太黑了,什么都看不见,于是,她就看四周的井壁,只见井壁 上排满了碗橱和书架,以及挂在钉子上的地图和图画,她从一个架子上拿了一个 罐头,罐头上写著“桔子醬”,却是空的,她很失望,她不敢把空罐头扔下去, 怕砸著下面的人,因此,在继续往下掉的时候,她就把空罐头放到另一个碗橱里 去了。

   井戸がとっても深かったのか、それともアリスの落ちかたがゆっくりだったのかもしれません。だってアリスは落ちながら、まわりを見まわして、これからどうなっちゃうんだろうと考えるだけの時間がたっぷりあったからです。まずは下をながめて、どこに向かおうとしているのかを見きわめようとしました。でも暗すぎてなにも見えません。それから井戸の横のかべを見てみました。するとそこは、食器だなと本だなだらけでした。あちこちに、地図や絵がとめ金に引っかけてあります。アリスは通りすがりに、たなの一つからびんを手にとってみました。「マーマレード」というラベルがはってあります。が、空っぽだったので、とてもがっかりしてしまいました。下にいる人を殺したくはなかったので、びんを落とすのはいやでした。だから落ちる通りすがりに、なんとか別の食器だなにそれを置きました。

   “好啊,”爱丽丝想,“经过了这次锻炼,我从楼梯上滚下来就不算回事。 家里的人都会说我多么勇敢啊,嘿,就是从屋顶上掉下来也没什么了不起,”─ ─这点倒很可能是真的,屋顶上摔下来,会摔得说不出话的。

   アリスは思いました。「でもこんなに落ちたあとなら、もう階段をころげ落ちるなんて、なんとも思わないわよ! おうちじゃみんな、あたしがすごく勇敢(ゆうかん)だと思うでしょうね! ええ、おうちのてっぺんから落っこちたって、もう一言も文句を言わないはずよ」(そりゃまあそのとおりでしょうけど)

   掉啊,掉啊,掉啊,难道永远掉不到底了吗?爱丽丝大声说:“我很知道掉 了多少英里了,我一定已经靠近地球中心的一个地方啦!让我想想:这就是说已 经掉了大约四千英里了,我想……”(你瞧,爱丽丝在学校里已经学到了一点这 类东西,虽然现在不是显示知识的时机,因为没一个人在听她说话,但是这仍然 是个很好的练习。)“……是的,大概就是这个距离。那么,我现在究竟到了什 么经度和纬度了呢?”(爱丽丝不明白经度和纬度是什么意思,可她认为这是挺 时髦的字眼,说起来怪好听的。)

   下へ、下へ、もっと下へ。このままいつまでもずっと落ちてくのでしょうか? 「いままでもう何マイルくらい落ちたんだろ」とアリスは声に出して言いました。「そろそろ地球のまん中くらいにきたはず。えーと、そうなると四千マイルくらい落ちたことになる、のかな――」(つまりね、アリスは教室の授業で、こんなようなことをいくつか勉強していたわけ。で、このときはまわりにだれもいなかったから、もの知りなのをひけらかすにはあまりつごうがよくはなかったんだけれど、でもこうして暗唱してみると、いいれんしゅうにはなったってこと)「――そうね、きょりはそんなもんね――でもそれだと、緯度(いど)や経度(けいど)はどこらへんにきたのかしら」(アリスは緯度(いど)や経度(けいど)ってのがなんなのか、まるっきり見当もついてなかったけれど、でも口にだすのにかっこいい、えらそうなことばだと思ったわけね)

   不一会儿,她又说话了:“我想知道我会不会穿过地球,到那些头朝下走路 的人们那里,这该多么滑稽呀!我想这叫做‘对称人’(19世纪中学地理教科书 上流行个名洞,叫“对跖人”,意思是说地球直径两端的人,脚心对着脚心。爱 丽丝对“地球对面的人”的概念模糊,以为他们是“头朝下”走路的,而且把 “对跖人”错念成“对称人”了。)吧?”这次她很高兴没人听她说话,因为 “对称人”这个名词似乎不十分正确。“我想我应该问他们这个国家叫什么名称: 太太,请问您知道这是新西兰,还是澳大利亚?”(她说这话时,还试着行个屈 膝礼,可是不成。你想想看,在空中掉下来时行这样的屈膝礼,行吗,)“如果 我这样问,人们一定会认为我是一个无知的小姑娘哩。不,永远不能这样问,也 许我会看到它写在哪儿的吧!”

   しばらくして、アリスはまたはじめました。「このまま地球をドンッとつきぬけて落ちちゃうのかな! 頭を下にして歩く人たちのなかに出てきたら、すっごくおかしく見えるでしょうね! それってたとえば日本とかだとあるぜん人、だっけ――」(ここではだれも聞いてる人がいなくて、アリスはむしろホッとしたんだ。だってどう考えても正しいことばには聞こえなかったし)「――でも、国の名前はだれかにきかないと。あの、奥さま、ここってニュージーランドでしょうか、オーストラリアでしょうか?」(そしてアリスは、しゃべりながらおじぎをしようとした――宙を落っこちながら会釈をするなんて、考えてもごらんよ! きみならそんなこと、できると思う?)「そしたらその方、そんなことを聞くなんて、あたしのことをすごくバカな女の子だと思っちゃうわ! だめだめ、そんなこと聞いちゃ。どっかに書いてあるのが見つかるかもしれない」

   掉啊,掉啊,掉啊,除此之外,没別的事可干了。因此,过一会儿爱丽丝又 说话了:“我敢肯定,黛娜今晚一定非常想念我。”(黛娜是只猫)“我希望他 们別忘了午茶时给她准备一碟牛奶。黛娜,我亲爱的,我多么希望你也掉到这里 来,同我在一起呀,我怕空中没有你吃的小老鼠,不过你可能捉到一只蝙蝠,你 要知道,它很像老鼠。可是猫吃不吃蝙蝠呢?”这时,爱丽丝开始瞌睡了,她困 得迷迷糊糊时还在说:“猫吃蝙蝠吗?猫吃蝙蝠吗?”有时又说成:“蝙蝠吃猫 吗?”这两个问题她哪个也回答不出来,所以,她怎么问都没关系,这时候,她 已经睡着了,开始做起梦来了。她梦见正同黛娜手拉着手走着,并且很认真地问: “黛娜,告诉我,你吃过蝙蝠吗?,就在这时,突然“砰”地一声,她掉到了一 堆枯枝败叶上了,总算掉到了底了!

   下へ、下へ、もっと下へ。ほかにすることもなかったので、アリスはまたしゃべりだしました。「今夜、ダイナはあたしがいなくてさびしがるでしょうね!」(ダイナってのはねこ。)「お茶の時間に、みんなダイナのミルクのお皿を忘れないでくれるといいけど。かわいいダイナ! おまえがいっしょにここへいてくれたらいいのに! 空中にはネズミはいないみたいだけれど、コウモリがつかまるかもしれないわよ、コウモリってすごくネズミみたいなんだから。でもねこってコウモリ食べるのかな?」そしてここで、アリスはいささか眠くなってきて、ちょっと夢うつつっぽい感じで、こうつぶやきつづけました。「ねこってコウモリ食べる?ねこ、コウモリ食べる?」そしてだんだん「ねこうもりって食べる?」とも。だって、どの質問にも答えられないので、どれをきいてもあんまりちがわなかったのですね。うつらうつらしてきて、ダイナと手に手をとって歩いている夢を見はじめました。そしてその中で、とても真剣にこうきいています。「さあダイナ、正直におっしゃい。おまえ、コウモリ食べたことあるの?」とそのときいきなり、ズシン!ズシン!アリスは小枝と枯れ葉の山のてっぺんにぶつかって、落ちるのはもうそれっきり。

   爱丽丝一点儿也没摔坏,她立即站起来,向上看看,黑洞洞的。朝前一看, 是个很长的走廊,她又看见了那只白兔正急急忙忙地朝前跑。这回可別错过时机, 爱丽丝像一阵风似地追了过去。她听到兔子在拐弯时说:“哎呀,我的耳朵和胡 子呀,现在太迟了!”这时爱丽丝已经离兔子很近了,但是当她也赶到拐角,兔 子却不见了。她发现自己是在一个很长很低的大厅里,屋顶上悬挂著一串灯,把 大厅照亮了。

   けがはぜんぜんなくて、すぐにとび起きました。見上げても、頭上はずっとまっ暗。目の前にはまた長い通路があって、まだ白うさぎがその通路をあわてて走っていくのが見えました。これは一刻もむだにできません。アリスはびゅーんと風のようにかけだして、ちょうどうさぎがかどを曲がりしなに「やれ耳やらヒゲやら、こんなにおそくなっちゃって!」と言うのが聞こえました。そのかどをアリスが曲がったときには、かなり追いついていました。が、うさぎがどこにも見あたりません。そこは長くて天井のひくいろうかで、屋根からランプが一列にぶら下がって明るくなっていました。

   大厅四周都是门,全都锁著,爱丽丝从这边走到那边,推一推,拉一拉,每 扇门都打不开,她伤心地走到大厅中间,琢磨著该怎么出去。

   そのろうかはとびらだらけでしたが、どれも鍵がかかっています。アリスは、ろうかの片側をずっとたどって、それからずっともどってきて、とびらをぜんぶためしてみました。どれも開かないので、アリスはろうかのまん中をしょんぼり歩いて、いったいどうやってここから出ましょうか、と思案するのでした。

   突然,她发现了一张三条腿的小桌,桌子是玻璃做的。桌上除了一把很小的 金钥匙,什么也没有,爱丽丝一下就想到这钥匙可能是哪个门上的。可是,哎呀, 要么就是锁太大了,要么就是钥匙太小了,哪个门也用不上。不过,在她绕第二 圈时,突然发现刚才没注意到的一个低帐幕后面,有一扇约十五英寸高的小门。 她用这个小金钥匙往小门的锁眼里一插,太高兴了,正合适。

   いきなり、小さな三本足のテーブルにでくわしました。ぜんぶかたいガラスでできています。そこには小さな金色の鍵がのっているだけで、アリスがまっ先に思ったのは、これはろうかのとびらのどれかに合うんじゃないかな、ということでした。でもざんねん! 鍵穴が大きすぎたり、それとも鍵が小さすぎたり。どっちにしても、とびらはどれも開きません。でも、二回目にぐるっとまわってみたところ、さっきは気がつかなかったひくいカーテンがみつかりました。そしてそのむこうに、高さ40センチくらいの小さなとびらがあります。さっきの小さな金色の鍵を、鍵穴に入れてためしてみると、うれしいことにぴったりじゃないですか!

   爱丽丝打开了门,发现门外是一条小走廊,比老鼠洞还小,她跪下来,顺着 走廊望出去,见到一个从没见过的美丽花园。她多想离开这个黑暗的大厅,到那 些美丽的花圃和清凉的喷泉中去玩呀!可是那门框连脑袋都过不去,可怜的爱丽 丝想:“哎,就算头能过去,肩膀不跟著过去也没用,我多么希望缩成望远镜里 的小人呀(爱丽丝常常把望远镜倒着看,一切东西都变得又远又小,所以她认为 望远镜可以把人放大或缩小。),我想自己能变小的,只要知道变的方法就行了。” 你看,一连串稀奇古怪的事,使得爱丽丝认为没有什么事是不可能的了。

   あけてみると、小さな通路になっていました。ネズミの穴くらいの大きさしかありません。ひざをついてのぞいてみると、それは見たこともないようなきれいなお庭につづいています。こんな暗いろうかを出て、あのまばゆい花だんやつめたいふん水の間を歩きたいなぁ、とアリスは心から思いました。でも、その戸口には、頭さえとおらないのです。「それに頭はとおったにしても、かたがないとあんまり使いものにならないわ」とかわいそうなアリスは考えました。「ああ、望遠鏡みたいにちぢまれたらな! できると思うんだ、やりかたさえわかれば」というのも、近ごろいろいろへんてこりんなことが起こりすぎたので、アリスとしては、ほんとうにできないことなんて、じつはほとんどないんだと思いはじめていたのです。

   看来, 守在小门旁没意思了,于是,她回到桌子边,希望还能再找到一把钥匙,至少也 得找到一本教人变成望远镜里小人的书,可这次,她发现桌上有一只小瓶。爱丽 丝说:“这小瓶刚才确实不在这里。”瓶口上系著一张小纸条,上面印著两个很 漂亮的大平:“喝我”。

   その小さなとびらのところで待っていてもしかたないので、アリスはテーブルのところに戻りました。別の鍵がのってたりしないかな、となかば期待していたのです。あるいは少なくとも、望遠鏡みたいにちぢまるやりかたを書いた、規則の本でもないかな、と思いました。するとこんどは、小さなびんがのっかっていて(「これってさっきはぜったいになかったわよねえ」とアリスは言いました)、そしてびんの首のところには紙のふだがついていて、そこに「のんで」ということばが、おっきな字できれいに印刷されていました。

   说“喝我”倒不错,可是聪明的小爱丽丝不会忙着去喝的。她说:“不行, 我得先看看,上面有没有写著‘毒药’两个字。”因为她听过一些很精彩的小故 事,关于孩子们怎样被烧伤、被野兽吃掉,以及其它一些令人不愉快的事情,所 有这些,都是因为这些孩子们没有记住大人的话,例如:握拨火棍时间太久就会 把手烧坏;小刀割手指就会出血,等等。爱丽丝知道喝了写著“毒药”瓶里的药 水,迟早会受害的。

   「のんで」は結構なのですけれど、でもかしこいアリスは、そんなことをあわててするような子ではありません。「いいえ、まずちゃんと見てみようっと。『毒』とか書いてないかどうか、たしかめるんだ」とアリス。というのも、お友だちに教わったかんたんな規則をまもらなかったばっかりに、やけどをしたり、野獣に食べられちゃったりした子供たちについて、すてきなお話をいくつか読んだことがあったからです。そういう規則というのは、たとえばまっ赤にやけた火かき棒をあんまり長くにぎっているとやけどをするよ、とか、指をナイフでとぉってもふかく切っちゃったら、たぶん血が出てくるよ、とかですね。そして『毒』と書いてあるびんの中身をたくさんのんだら、たぶんまちがいなく、いずれ困ったことになるよ、というのも、アリスはぜったいにわすれなかったのでした。

   然而瓶子上没有“毒药”字样,所以爱丽丝冒险地尝了尝,感到非常好吃, 它混合着樱桃馅饼、奶油蛋糕、菠萝、烤火鸡、牛奶糖、热奶油面包的味道。爱丽丝一口气就把一瓶喝光了。

   でも、びんには「毒」とは書いてありませんでした。そこでアリスは、ためしに味見をしました。そしてそれがとってもおいしかったので(どんな味かというと、チェリータルトと、カスタードと、パイナップルと、しちめんちょうローストと、トフィーと、熱いバターつきトーストをまぜたような味ね)、すぐにそれをのみほしてしまいました。

   “多么奇怪的感觉呀!”爱丽丝说,“我一定变成望远镜里的小人了。”

   「へんなの、へーんなの!」とアリス。「あたし、望遠鏡みたいにちぢまっちゃってるのね」

   的确是这样,她高兴得眉飞色舞,现在她只有十英寸高了,已经可以到那个 可爱的花园里去了。不过,她又等了几分钟,看看会不会继续缩小下去。想到这 点,她有点不安了。“究竟会怎么收场呢?”爱丽丝对自己说,“或许会像蜡烛 的火苗那样,全部缩没了。那么我会怎么样呢?”她又努力试着想象蜡烛灭了后 的火焰会是个什么样几。因为她从来没有见过那样的东西。

   そしてたしかにそのとおり。アリスはいまや、身のたけたったの25センチ。これであの小さなとびらをとおって、あのきれいなお庭にいくのにちょうどいい大きさになったと思って、アリスは顔をかがやかせました。でもまず、もう何分かまってみて、もっとちぢんじゃわないかどうかたしかめました。これはちょっと心配なところでした。「だってあたしがロウソクみたいに、ぜんぶ消えちゃっておしまいになるかもしれないでしょ」とアリスはつぶやきました。「そうなったらあたし、どうなっちゃうんだろ」そしてアリスは、ロウソクをふき消したあとで、ロウソクの炎がどんなようすかを想像してみようとしました。というのも、そんなものを見たおぼえがなかったからです。

   过了一小会,好像不会再发生什么事情了,她决定立刻到花园去。可是,哎 哟!可怜的爱丽丝!她走到门口,发觉忘拿了那把小金钥匙。在回到桌子前准备 再拿的时候,却发现自己已经够不著钥匙,她只能通过玻璃桌面清楚地看到它, 她尽力攀著桌腿向上爬,可是桌腿太滑了,她一次又一次地溜了下来,弄得她精 疲力竭。于是,这个可怜的小家伙坐在地上哭了起来。

   しばらくして、それ以上なにもおきないのがわかって、アリスはすぐにお庭にいこうときめました。でもかわいそうなアリス、ざんねんでした!とびらのところにきてみると、あの小さな金色の鍵をわすれてきたのに気がついたのです。そしてテーブルのところに戻ってみると、ぜったいに手がとどきません。ガラスごしに、とてもはっきりと見えてはいます。アリスはがんばってテーブルの脚をよじのぼろうとしましたが、つるつるでだめです。そしてがんばったあげくにつかれきって、かわいそうなこの子は、すわって泣き出してしまいました。

   “起来,哭是没用的!”爱丽丝严厉地对自己说,“限你─,分钟内就停止 哭!”她经常爱给自己下个命令(虽然她很少听从这种命令),有时甚至把自己 骂哭了。记得有一次她同自己比赛槌球,由于她骗了自己,她就打了自己一记耳 光,这个小孩很喜欢装成两个人,“但是现在还装什么两个人呢?”可怜的小爱 丽丝想,“唉!现在我小得连做一个像样的人都不够了。”

   「こら、そんなふうに泣いてちゃだめだぞ!」とアリスは、ちょっときびしく自分に言いきかせました。「いいわね、いますぐ泣きやみなさい!」アリスが自分にする忠告は、とてもりっぱなものが多いのです(そのとおりにすることはほとんどなかったんだけどね)。そしてときどきは、自分をきびしくしかりすぎて、涙が出てくるほどでした。いちどなんか、自分相手にやっていたクロケーの試合でいんちきをしたので、自分の耳をぶとうとしたくらい。というのも、このふうがわりな子は、一人で二役をやるのがとても好きだったからです。「でもいまじゃ、二役をやってみてもしょうがないわよね。だってあたしはもうほとんど残ってなくて、まともな人間一人にも足りないくらいなんだもの!」とかわいそうなアリスは考えました。

   不.一会儿,她的眼光落在桌子下面的一个小玻璃盒子上。打开一看,里面 有块很小的点心,点心上用葡萄干精致地嵌著“吃我”两个字,“好,我就吃它,” 爱丽丝说,“如果它使我变大,我就能够著钥匙了;如果它使我变得更小,我就 可以从门缝下面爬过去,反正不管怎样,我都可以到那个花园里去了。因此无论 怎么变,我都不在乎。”

   やがて、テーブルの下の小さなガラスのはこが、アリスの目にとまりました。あけてみると、中にはとってもちっちゃなケーキが入っていて、ほしぶどうで「たべて」ときれいに書いてあります。「食べちゃおうっと」とアリス。「これで大きくなれたら、鍵に手がとどくでしょ。小さくなるようなら、とびらの下からもぐれるな。だからどっちにしてもあのお庭には行けるわけよね。あたしはどっちだっていいわ!」

   她只吃了一小口,就焦急地问自己:“是哪一种,变大还是变小?”她用手 摸摸头顶,想知道变成哪种样子。可是非常奇怪,一点没变,说实话,这本来是 吃点心的正常现象,可是爱丽丝已经习惯了稀奇古怪的事了,生活中的正常事情 倒显得难以理解了。

   ちょっと食べてみて、アリスは心配そうに自分に言いました。「どっちかな?どっちかな?」そして頭のてっぺんに手をやって、自分がどっちにのびているかを確かめようとします。ところが同じ大きさのままだったので、アリスはとってもびっくりしました。そりゃたしかに、ふつうはケーキを食べるとそうなるのですが、アリスはへんてこりんなことを期待するのになれすぎちゃっていたもので、人生がふつうのやり方でつづくなんていうのは、すごくつまんなくてばかばかしく思えたのです。

   于是,她又吃开了,很块就把一块点心吃完了。

   そこでアリスはそのままつづけて、じきにケーキをたいらげてしまいました。

Text from angelibrary.com
Text from genpaku.org